この記事では、台本制作をする上で、事前に理解しておくべきことを解説しています。
前提条件
本教材では以下の条件に当てはまる台本制作を前提に解説します。
<本教材で解説する「台本制作」の前提条件>
- テーマは「企業案件動画の台本制作」
- 制作する動画は「アニメーション動画」
- 動画時間は「1〜2分程度」を想定
あくまでも「企業案件動画」の「台本制作」を前提としている点をご理解ください。
市場理解
「台本制作市場」はどれくらい稼げる市場なのか?これが台本制作の仕事をする上で最初に理解すべきことです。
「その人がどれくらい稼げるのか?」はその人の能力以上に「その人が参加する市場の大きさ」「市場で形成されている相場」などの影響が大きいです。
台本制作はアニメーション動画制作に欠かせない仕事
まず「台本制作」は「アニメーション動画制作」に欠かせない仕事です。誰かが「動画の筋書き=台本」を書かない限り、アニメーション動画を作ることはできません。
そのため、台本制作はアニメーション制作において、非常に重要度の高い仕事であると言えます。ですが、重要度が高いからといって、台本制作のスキル単体では、そこまで高単価な仕事にはなりづらいというのが実情です。
重要度が高いからと言って、稼げるわけではありません。「それはなぜか?」というと「稼げるかどうか」は需給が関係してくるからです。
ライティング系スキルは「需要<供給」
そもそも「台本制作」は「ライティング系の仕事」であり、パソコン1台あれば始めることができます。そのため「参入障壁が非常に低い」という特徴を持っています。
会社員で副業を始める人や、主婦で子育てをしながら在宅ワークを始める人でも取り組みやすいのが「ライティング系のお仕事」です(なんせ文章を書くだけですからね)。この参入障壁の低さが「重要度が高いのに単価は安い」という構造を生み出しています(習得難易度は決して低くはないですが、多くの人が手を出しやすいためにこのような状況になっています)。
「参入障壁が低い」ということは「供給量が多い」ことを意味します。その結果「何が起こるのか?」というと「価格競争が起こりやすい=単価が下がりやすい」という状況が生まれるわけです。
もしあなたが2分動画の台本制作を「1本50,000円でやりたいです!」と応募しても、他の人が「私は1本5,000円でやります!」と言っていたら、あなたには仕事が回ってこない確率が高いでしょう。
これが台本制作の市場で起きていることです。
相場理解:1本5,000円〜10,000円
結論からいうと「企業案件動画」で「動画時間は2分程度」の分量ですと「1本あたり5,000円〜10,000円」程度の仕事になる可能性が高いです(制作した動画がYouTubeで100万回以上再生されているシナリオライターでも、これくらいの価格です)。
ちなみに、文字数600文字で換算すると「1文字8.33〜16.67円」となりますが、これでも非常に高単価な方です。
クラウドソーシングサイトだと「1文字0.75〜1.2円」で「高単価」と記載されていたり「1文字5円」で「超絶高単価」と紹介されていたりしますので、それくらいの相場感であるということを理解しましょう。
付加価値をつける
上記のような状態のため、もし、あなたが台本制作で稼いでいきたいのであれば「他のスキルと掛け合わせて、付加価値をつける」のが現実的です。
「企業向けにアニメーション動画を制作して稼ぐ」という選択肢は、まさに「台本制作スキルを他のスキルと掛け合わせて付加価値をつける」の好例であると言えます。
実際、アニメーション制作者の中には「元々ライティング系の仕事をやっていたけど、単価が安いのでアニメーション動画制作を始めた」という人が多くいます(私もその1人です)。
これから台本制作のスキルを身につけようと考えてる人は、このような前提を踏まえた上で、自分の立ち回りを考えていきましょう!
1人で台本制作までできると、筋の通った質の高いアニメーション動画を作りやすいので、台本制作のスキルを身につける価値はありますね。
台本制作市場ではなく、動画市場で勝負する
ここまで解説してきた通り「台本制作スキル単体」ではそこまで稼ぐことはできません。そのため、お金を稼ぎたいのであれば「アニメーション制作スキル」も身につけ「高単価でも通用する動画市場」で勝負するようにしましょう。
こればかりは「市場」に合わせて勝負した方が良いです。低単価な市場で無理やり勝負しようとすると、疲弊する可能性が高いのでやめた方が良いですね。
これはどんな仕事にも言えることですが「全体を構築する部品としての仕事」をするだけでは、あまり稼ぐことはできません。「部品としての仕事が大切ではない」と言ってるのではなく「部品の役割を担える人はたくさんいる=供給が多いから、単価が下がりやすい」ということです。
単体スキルでも、その業界でトップの実績を出すまでの人であれば、もちろん稼ぐことができる可能性は高いです。
単体スキルで勝負するにせよ、複数のスキルの掛け合わせで勝負するにせよ「替えの効かない存在」になるのが大切であるということですね。
高単価な仕事は、スキルの掛け合わせから生まれる
台本制作もアニメーション制作も、単体のスキルではそこまで稼ぐことができません。(生活費を稼ぐ程度であれば、単体スキルでも稼ぐことはできます。
台本制作は先ほど言った通り「企業案件動画」で「動画時間は2分程度」の分量ですと「1本あたり5,000円〜10,000円」程度の仕事になる可能性が高いです。
アニメーション制作(質の高いアニメーション動画を作れる場合に限る)は「企業案件動画」で「動画時間は2分程度」の分量ですと「1本あたり20,000円〜40,000円」程度の仕事になります。
それでは「この2つのスキルを掛け合わせたら、いくら稼げるのか?」というと、単純な足し算になるとは限らないわけです。
シンプルに足し算をすると「台本制作」と「アニメーション制作」ができる人が作る動画は「1本あたり25,000円〜50,000円」になると考えることができます。この価格に対する考え方は「人件費」を元にした「コストから算出する価格の決め方」です。(この考え方で価格設定をする場合、通常はこの価格にさらに利益を載せることになります
ですが、台本制作とアニメーション制作の仕事をしてる人の中には「1本10万円〜20万円といった単価で仕事をしてる人」もいます。
私は実際にアニメーション動画を制作する仕事を1本20万円以上の単価で請け負っています。「なぜ、そのような単価で仕事をすることができるのか?」というと「台本制作」や「アニメーション制作」のほかに「企画」や「構成」といった仕事も請け負ったり、経営者の代わりに「どうすれば利益が上がるのか?」を考え、提案したりしているからです。
もっというと「単価」は「仕事内容」だけではなく、営業戦略やサービス設計、人との付き合い、他の事業との兼ね合いなど、様々な要因によって決まります。
詳細を話すとそれだけで1つの教材になりますので、これくらいにしておきますが、ようするに「高単価な仕事」をしたい場合は「単体スキルを極める」のではなく「複数のスキルを掛け合わせた勝負をする」ことを忘れないでください。
ビジネスは単体のスキル勝負ではなく、総合力勝負の世界です。
ビジネスモデル理解
「台本制作」の報酬はどういった経緯で生まれるのか?ビジネスモデルを理解する。これが台本制作の仕事を始める前に理解すべきことです。
「最大でいくら稼げる見込みがあるのか?」を知るために「どういった仕組みで自分の利益が出ているか?」を知るようにしましょう。
企業案件のビジネスモデル
結論から言うと「企業案件」は「求められる動画の完成度は高いですが、その分1本あたりの報酬も数万から数十万程度いただける案件」と言うことができます。
まず、私の実例を元に、企業案件の登場人物を紹介します。
<企業案件の登場人物>
- クライアント(企業)
- ディレクター・シナリオライター他(クレメア)
- ナレーター(機械音声の場合は不要)
- アニメーション制作者
クライアントは動画制作を依頼する人のことです。クライアントは「利益の増加」もしくは「費用の削減(最終的には利益の増加につながる)」を目的とし、動画制作者である私たちに動画制作の依頼をします。
ちなみに、この教材で解説している「動画時間が2分程度の企業案件動画」はクライアントの「利益の増加」を目的として制作する場合がほとんどです。そのため、台本制作をする際もその目的を達成できるような台本を執筆するスキルが求められます。
企業案件の特徴は「動画制作にかける予算に余裕がある点」が挙げられます。例えば1つ成約すると利益が300万円獲得できる商品があるとします。その場合、仮に動画制作費に100万円かかったとしても、商品が1つ売れれば200万円のプラスになります。企業案件はこのような規模感であるからこそ、1本数十万の高単価で仕事がいただけるということです。
お金がない企業は予算重視ですが、資金力のある企業はクオリティ重視です。だからこそ高単価の案件を獲得したいのであれば「動画の質」が大切になってきます。
企画内容に見合う台本を制作することは、質の良い動画を制作する上で必要になってくるスキルなので、ぜひ身につけるようにしましょう。
企業案件の業務割り振り
ここで、動画制作チームの仕事の割り振りについて。実際に私が企業案件の仕事をする際の業務の割り振りは以下のようになっています。
<アニメーション動画制作の業務割り振り>
人員(2名)
- ディレクター・シナリオライター他(クレメア)
- アニメーション制作者(H氏)
仕事内容
- 営業
- ヒアリング
- 企画
- 構成
- 台本制作
- アニメーション制作
- ナレーション収録(ナレーターに依頼)
- アニメーション調整
- 納品
実際は「営業」「ヒアリング」を「営業マンに委託する場合」がありますが、基本は上記のような座組みで運営しています。
この教材は「台本制作」に関する教材なので、それ以外の部分については触り程度の解説に留めておきます。
ディレクターである私は、クライアントからの問い合わせに対応し、動画制作可否を判断した上でヒアリング。動画制作に必要な情報を整理し、台本制作をした上で、アニメーション制作者に台本を共有します。
具体的には以下の状態まで、台本を制作して持ってきます。この教材では、下記の台本を具体例として、制作依頼をする際の思考法や具体的な手順を解説していきます。
この台本は企業案件で実際に制作した動画の台本になります。ぜひ一度読んでみてください。(教材使用の許諾は頂いています)
具体例:リデル株式会社様
ここでは実際にリデル株式会社様の動画を制作したときの流れを紹介しておきます。
台本制作に関する細かい話は「実践編」の方で解説させていただきます。
まず、リデル株式会社様の案件に関しては、ザックリと以下のようなスケジュールで進行しました。
企業案件スケジュール事例
- 10月12日(月):担当者様からお問い合わせ
- 11月4日(水):初回ヒアリング
- ー 初稿動画制作 ー
- 11月6日(金):初稿共有
- 11月10日(火):修正事項確認MTG
- ー 修正 ー
- 11月12日(木):第2稿共有
- 11月20日(金):台本確定
- ー ナレーション収録・アニメーション調整 ー
- 11月24日(火):プロナレーション動画共有
- 12月12日(土):納品
11月4日(水)のヒアリングでは11月20日(金)に「機械音声で制作した動画」を納品予定でしたが「プロナレーターへの依頼に変更したこと」「確認の返事に時間がかかったこと」が影響し、上記のようなスケジュール感となりました。
お問い合わせから納品までは2ヶ月かかっていますが、実際ほとんどの時間はクライアントからの返事待ちとなります。企業規模が大きい=確認する人が多い場合は、このようにコミュニケーションに時間がかかる場合が多いです。ベンチャー企業やスタートアップのように規模が小さい場合は、何も問題なければ2週間以内に納品まで進みます。
よくご覧いただくとわかりますが、初回ヒアリングから初稿共有までは中1日で、ヒアリングから48時間以内に初稿を共有しています。そして実際は、初稿の台本制作は「初回ヒアリング終了から1時間以内」で終わらせ、即クライアントに共有しました。
初回ヒアリング前に事前にリサーチをし、台本を下書きしておくことで、最速で台本制作の仕事を終わらせることができます。
速さで信頼を勝ち取りたい場合は、オススメの方法です。(後ほど解説します
初稿で共有する動画は、以下のレベルの動画になります。
実際の案件では「台本制作」をした後に、修正が入る場合が多いです。「どの段階で修正が入るのか?」は「どのような制作フローで仕事をするのか?」が関わってきます。
アニメーション制作で信頼を勝ち取る簡単な方法は「質の高い動画」を「相手の想像を超える早さで共有する」ことです。これがシンプルで確実な信頼獲得方法になります。
そのため、シナリオライターは「可能な限り早く」できれば「台本を書くのに必要な情報が揃ったその日のうち」に台本を書き終える覚悟でいることがオススメです。
私は台本制作に必要な情報が揃ったら、何よりもまず「台本制作の仕事」を最優先で終わらせるように仕事をしています。
2分動画の台本制作は文字数600〜700文字程度であり、そこまで時間がかかる仕事ではないですし、時間をかけるべき仕事でもないです。仕事はさっさと終わらせて、次の人につなげていきましょう。
企業案件で稼ぐためにアタマにブチ込んでおくべき式
多くの人は「動画制作で稼ぐ」ときに、「収入」に対してザックリと以下のようなイメージを持っています。
収入=単価×案件数
このようなイメージを持っている人は「収入を増やすにはどうすればいいか?」という問いに対して「単価を上げるか」「案件数を増やすか」という解決策を考えます。だからこそ「高単価案件を獲得する方法」や「営業手法」といった話題が人気であり、そういったことを教えるツイートや教材に人が集まっています。(この教材もそれに近い切り口で制作しています
このイメージは決して間違いではありませんが、稼ぎたいのであれば、もう1つ意識すべきことがあります。
それが「回転率」です。先ほどの式に回転率を加えると、次のようになります。
収入=単価×案件数×回転率
「動画制作における回転率」とは「一定期間でどの程度の動画を制作しているのかを表す指標」となります。1ヶ月で5本動画を作る人と、1ヶ月で10本動画を作る人がいた場合、後者の方が回転率が良いということになります。台本制作の仕事で稼ぐのであれば、回転率の改善も考えた方が良いでしょう。
単価は、動画制作のサービス設計をしたあとは、価格改定をしない限り変えることができない数値になります。改善頻度でいうと数ヶ月に一回変えるかどうかの話となります。
案件数は、集客や営業やリピート施策を改善することによって増やすことはできますが、案件を増やせば増やすほど、自分が忙しくなるデメリットがあります。改善頻度でいうと、案件数は毎月のように変化するので、常に意識すべきことの1つです。
回転率は、自分のスキルやフローの見直しによって改善することができます。この数値を改善すると「案件数の上限」を増やすことができ、自分が1ヶ月に制作できる動画の本数も増え、さらには「この人は仕事が早くて助かる」という信頼にもつながります。改善頻度は毎回の動画制作を改善することで変化するので、台本制作者は「どうすれば、台本制作にかける時間をもっと削減できるか?」を常に考えながら仕事をするようにしましょう。
このような構造をあらかじめ知っておくことで「スピードがいかに重要か?」を理解いただけると思います。
台本制作者が特に気をつけるべきこと
動画制作の仕事において、台本制作者が特に気をつけるべきことは「自分でボールを持たないようにすること」です。「ボールを持つ」とは「自分が仕事というボールを持っており、それを終わらせない限り、他の人が仕事を進めることができない状態のこと」を意味します。
先ほどの実例で言うと、この赤字の部分ですね。
企業案件スケジュール事例
- 10月12日(月):担当者様からお問い合わせ
- 11月4日(水):初回ヒアリング
- ー 初稿動画制作 ー
- 11月6日(金):初稿共有
- 11月10日(火):修正事項確認MTG
- ー 修正 ー
- 11月12日(木):第2稿共有
- 11月20日(金):台本確定
- ー ナレーション収録・アニメーション調整 ー
- 11月24日(火):プロナレーション動画共有
- 12月12日(土):納品
初回ヒアリングから、初稿動画制作をするまでの間を拡大すると、以下のようなフローになります。
初稿ヒアリングから初稿完成までのフロー
- 初回ヒアリング
- 台本制作
- アニメーション制作
- 初稿完成
このフローにおけるポイントは「台本制作」と「アニメーション制作」が「直列フロー」である点です。「直列フロー」とは「順番に処理していかなければ、次のフローに移ることができないフロー」のことです。台本がないことには、アニメーションを制作することはできませんからね。
もし、並列で処理可能な仕事であれば、同時に仕事を進めることで時間を短縮することができます。ですが、直列で仕事を進めなければならない場合は、どうしても待ち時間が生まれてしまいます。
ようするに、台本制作者がボールを持つと、その分だけ「納期が遅れる」ことになります。「納期の遅れ」は「信頼の損失に繋がる」ので、可能な限りこれを避けなければなりません。
そのため、実際に台本制作者として仕事をする場合は「事前にリサーチできる内容は調べておく」「あらかじめ資料がもらえそうなときはもらっておき、目を通しておく」など、時短に繋がりそうなことは先に終わらせておきましょう。
これから台本制作の仕事をしようと考えている人は、ぜひこの「自分でボールを持たないようにする」という注意点を忘れないようにしてください。
企業案件で求められる動画の特徴
企業案件では以下のような動画が求められます。
<企業案件で求められる動画の特徴>
- その案件で満たすべき要件を満たしている動画
え?これだけ?と思うかもしれませんが、これだけです。これだけですが、この「要件を満たす」というのが最重要です。
ようするに企業案件は1本1本が完全なオーダーメイドであり、その企業の状況や要望に応じた動画を作るからこそ、高単価の仕事になるわけです。
具体例を話しましょう。
まず、大前提として、動画を作るときは「視聴者の導線を意識した台本制作をする」というのが原則です。
例えば、今回制作する動画の視聴者が「キーワードを検索」し「企業のホームページにアクセス」して「そこに掲載している動画」を視聴すると想定する場合。「動画の最後のメッセージ」は基本的に「お問い合わせください」にするか、もしくは「資料請求をしてください」といった呼びかけになりますが、実際にどうするのかは「企業が想定する視聴者の導線」によって変わります。
ですが、もし、今回制作する動画の視聴者が「展示会のブースで流されてる動画を見る」だった場合はどうでしょうか?「お問い合わせください」よりも「お近くのスタッフにお声がけください」の方が適切かもしれません。
このように「制作する動画の要件定義」によって、中身がガラリと変わっていくのが企業案件動画の特徴です。
そういった細かいところまで配慮する姿勢が、企業案件の動画制作では求められます。
詳しくは実践編で解説します。
自己理解
導入編でも触れましたが、「自己理解」は結果を出す上で非常に重要です。「自己理解ができている=自分の現在のステータスを把握している」ことを意味します。
自分のステータスを把握し、自分の資源をどのように割り振るのか?によって、あなたの人生は決まります。逆にいうと、あなたの今の人生は、過去のあなたの選択によって、行動によって決まっているということです。
自分の人生を経営できるのは自分だけ。この自覚を持ち、何事も覚悟を持って取り組むことが結果を出すために重要です。いわゆる自責思考ですね。
自分が持ってるお金、スキル、時間などを把握していますか?それらを意識的に管理・運営していますか?結果を出すために、実際の行動を変えていますか?
未来の結果を変えたいなら、今の行動を変えていきましょう。
時間
人はみな1日24時間。生きていれば必ず時間があります。「時間がない」と嘆く人は「自分で時間を管理していないだけ」です。
企業案件動画台本を作れるシナリオライターになりたいあなたは、そうなるために時間を投下していますか?台本を作ってますか?リサーチしてますか?毎日何かしら積み重ねていますか?
「なんとなく」でやってることを無くすだけで、あなたの人生は変わります。
例えば「なぜ私が台本制作ができるのか?」というと、大前提として、ほかの人よりも文章を書いているという特徴が挙げられます。台本制作ができない人は、そもそも書いてる量も、考えている量も、リサーチをしている量も、圧倒的に足りません。
だから、まずは基本として「書く量を増やす」「書く習慣をつける」「書く時間を増やす」ことを意識しなければいけません。
私は1ヶ月でブログを100記事以上、合計で20万文字程度の記事を書いたことがあります。他にもこの教材を作る前にアニメーション制作に関する6万文字超の教材を作っています。その前は3万文字以上の教材を作ってお蔵入りにしたりもしています。
「なぜ私が文章を書けるのか?」というと「文章を書くハードルをとことんまで下げているから」です。「時間がないから書けない」という人は、まとまった時間を作ろうとしていませんか?まとまった時間が必要だと思い込んでいませんか?
私は文章を書くとき、1行でもいいから書くようにしています。30秒あれば、最低でも1行文章が書けます。片手にスマホを持つ余裕があれば文章は書けます。
例えば、信号の待ち時間。私は基本的にツイッターを開いて文章を書いています。書けずとも、何を書こうか考えています。文章が完成したらツイートしますが、完成しない場合は下書きに入れています。
そういった時間というのは、日常生活にたくさん潜んでいます。
- 信号待ちの時間
- レンジで食べ物を温めてる時間
- バスや電車の待ち時間
- バスや電車に乗っている時間
- 買い物をしてレジ待ちをしてる時間
- お風呂に湯が入るまでの時間
- etc
こういったスキマ時間はどんな人にでもあるはずです。これらの時間をかき集めれば、1日30分くらいは文章を書けます。そうやって文章を書くことで、基礎的なスキルが身についていきます。
また、「台本が書けない」という人は、始めから立派な台本を書こうとしていませんか?2分動画=600字程度の台本を書こうとしてませんか?
私は台本が思いつかない時は「1行だけ、ひとこと台本を書くとしたら、どんな台本になるだろうか?」と考えて、台本を書き始めています。
どんな台本も、1つの単語から始まります。1行書けば、1行だけ台本が完成します。文章を書くというのはその繰り返しです。
これからは「まとまった時間を作らないと」「ちゃんとした台本を作らないと」と勝手にハードルを上げて、行動しない理由を探すのはやめましょう。やると決めて、やれる範囲のことをやりましょう。あなたには時間があります。
文章を書く基礎体力を増やすためにも「スキマ時間ができたら書く」というルールで生きるのはオススメです。
ちなみにですが、文章を書くのが日常的になると「自分がどのような状態のときに文章がサクサク書けるのか?」も理解できるようになります。
私の場合は寝起きのタイミングや空腹時、クライアントから連絡が来て自分が台本制作をしなければ仕事が進まない状況になった時などに、文章がサクサク書けます。
集中して文章を書ける時間帯は貴重なので、そういった時間帯を逃さないような生活を送ることも大切です。
マインドセット
台本制作をするために必要なマインドセット。それは仕事として台本制作をするということです。
台本制作の仕事にプロ意識を持ち、プロとして、仕事として、台本制作をするのであれば、何をすべきなのか?を常に自問自答できる人が1本20万円以上の企業案件動画に通用するシナリオライターになれます。
プロと対極に位置する人が、いつまでも素人感覚で台本制作をする人です。
素人感覚で台本制作をする人は「自分基準」で台本制作をします。自分が納得する、自分が必要だと思った台本制作ができればOKであり、どれだけ自己満足ができるか?が大事になってきます。
具体的に言えば、素人感覚で台本制作をしてる人は、以下のような精神で台本制作に取り組んでいます。
<素人感覚で台本制作をしてる人の例>
- リサーチをしない。ほかの人が制作した素晴らしいアニメーション動画の台本を一言一句チェックしたりしない
- 自分の表現手段を増やすために、自分から参考となる動画を検索したりしない。参考となる動画がたまたま目に入った時だけ「どうすれば良い感じの台本ができるんだろう?」と形だけ悩む
- 台本制作する時、納期を決めたり、制限時間を決めたりしない。自分が作りたい時に作り、飽きたら作るのをやめている
- 台本を作り始めたら、最後まで作りきらずに、途中でやめている
- SNS上で他の人が、自分でも作れそうな動画をアップしてるのを見て、安心する。その人が実際に案件を取れてるのかどうかなどは考えない
- 台本を他の人に見せない。今の自分に実力がないと薄々気づいていても、それを他の人に指摘されるのはむかつくから、見せたくない。かといって良い台本を作れるわけではないし、改善方法もわかっていない
- 制作した動画を他の人に見せた時、褒められないと機嫌が悪くなる。改善点を指摘されても、むかつくから改善しない
- 1から台本を作るのが大変そうなので、とりあえず使えそうなテンプレを当てはめてみる
- 動画制作の時に1つしか台本を作らない。複数のパターンの台本を書いた方が良いとわかっていても、自分の「めんどくさい」という気持ちを優先して、1つしか作らない
このような姿勢で台本制作をしている人は、仕事ではなく素人感覚で台本制作をしている人になります。この人が最も大事にしているのは「自己満足」であり、自己満足の基準は常に揺れ動くので、その時の気分次第で台本制作に向かう姿勢が変わることになります。
「素人感覚で台本制作をするのがいけない」のではなく「台本制作を仕事にしたいのであれば、素人感覚でやっても結果が出ないから気をつけましょう」という話です。
素人感覚で「企業案件で通用する台本制作」をするのは不可能に近いです。心構えを叩き直していきましょう。
仕事として台本制作をしている人は「クライアント基準」で「クライアントがアニメーション動画を通じて達成したいこと」に最大限貢献できるよう尽力します。
具体的に言えば、仕事として台本制作をしてる人は、以下のような精神で台本制作に取り組んでいます。
<仕事で台本制作をしてる人の例>
- 徹底的にリサーチをする。クライアントのサイトはもちろん、最新ニュースや専門用語などを調べ、今制作できる最高の台本を作るための努力を惜しまない
- 自分の表現手段を増やすために、他の人が制作した動画を検索する。良い動画があった場合、それを保管しておき、自分の制作に活かす
- 台本制作をする時、必ず納期を決める。制限時間内に条件に合った品質の台本を制作完了できるように努める
- 新しく動画を作るたびに、何かしらの改善を積み重ねる。常に「もっと良い台本を作れるのではないか?」と考える
- 「動画は1秒でも短い方が良い」と理解しており、1文字でも短くわかりやすい表現ができないかを常に考えている
- 他の人が適当に制作した動画を見て安心しない。むしろ、知らない間に自分が制作した動画をマネされている
- 台本をディレクターなど厳しい目を持った人に見せる。その上で改善点を指摘されたら、なぜ改善すべきなのかを理解した上で改善する
- 他人に褒められようが貶されようが、黙々と台本制作をする。気分で仕事をしない
- 思考停止でテンプレを使おうとしない。その案件の要件を理解し、その案件に最適な台本を制作しようと心がける
シナリオライターは、上記のような心構えで仕事をしています。結局は「自分を優先するか」「クライアントを優先するか」が素人感覚でやる人とと仕事としてやる人の違いになります。
常に「プロだったら、どうするか?」を基準に台本制作をすると、質が上がっていきます。
利害関係者の理解
シナリオライターとして仕事をしたいのであれば、利害関係者の役割や心情を理解しておくと、より仕事をしやすくなります。
ここでは、シナリオライターが深く関わるであろう以下の5者の役割・心情を解説します。
<台本制作に関わる人>
- クライアント
- ディレクター
- シナリオライター
- アニメーション制作者
- 視聴者
なお、ディレクターとシナリオライターとアニメーション制作者の業務の割り振りに関しては、こちらの前提で進めていきます。
<アニメーション動画制作の業務割り振り>
人員(3名)
- ディレクター
- シナリオライター
- アニメーション制作者
仕事内容
- 営業
- ヒアリング
- 企画
- 構成
- 台本制作
- アニメーション制作
- ナレーション収録(ナレーターに依頼)
- アニメーション調整
- 納品
ここをしっかり理解することで、ちゃんとしたシナリオライターであると認識してもらえますよ。
クライアントの理解
結論から言うと、クライアントは自分の事業・ビジネスにおいて、何かしらの課題=悩みを持っており、その課題を解決するための手段としてアニメーション動画が有効であると理解して初めて、アニメーション動画制作を依頼します。
クライアントにとって、動画は課題解決のための手段の1つに過ぎないと言うことです。
例えば、以下のような悩みを持っています。
<クライアントの持つ悩み>
- 新規顧客が増えなくて困っている
- 商品やサービスが売れなくて困っている
- 価値を理解してもらえず困っている
- 利益が上がらなくて困っている
- 赤字で困っている
- etc
こういった悩みを持っており、これらの悩み解決が期待できるからこそ、アニメーション動画制作を依頼するということです。
この大前提を理解せずに動画を作ると、軸がぶれるので、しっかりと「今回はどんな課題を解決するために動画を作るのか?」を理解しましょう。
大前提が理解できない場合は、ディレクターに必ず確認をしてください。質問をしてもディレクターが答えられなかった場合、それはわかってないディレクターなので違う人の元で仕事をするのがオススメです。
アニメーション制作事業において、クライアントはどのような立場か?というと、クライアントは依頼主であり、お金を支払って、対価としてアニメーション動画を受け取る立場にあります。
アニメーション動画を制作する立場であるディレクター、シナリオライター、アニメーション制作者は、クライアントの悩みを解決するためのアニメーション動画を作って納品し、その対価としてお金を受け取るということですね。
シナリオライターの仕事はクライアントがいるからこそ、成り立っている仕事であると言えます。
そして、全てのクライアントは以下のような役割を持っています。
<クライアントの役割>
- 通常、クライアントは社内で動画の担当者を決め、その人を代表者として動画制作案件を進める。担当者が各工程において誰に何を確認するのかを理解していると、コミュニケーションがスムーズになる
- 担当者は制作する動画を最大限活用するために、社内の動画活用要件をまとめる立場にある。社内で要件がまとまっていない場合、動画制作するタイミングではないので、事前に社内で意思確認・要件定義をする
- 制作する動画の要件を決める立場にある。クライアントが決めた要件を軸として、アニメーション動画制作は進行する
- クライアントは制作した動画の台本やデザインを確認し、承認する立場にある。「どの段階で何を決めなければいけないのか?=どの段階で後戻りができなくなるのか?」を理解することで、スムーズに動画制作が進む
- 制作した動画を最終確認し、納品を承認する立場にある
- アニメーション動画制作に必要な経費を支払う立場にある。通常、支払い時期は納品月の翌月末払いとなる
クライアントの主な役割は「要件定義・確認・支払い」などがあります。
また、全てのクライアントは、以下のような欲求を持っています。
<全てのクライアントに共通する欲求>
- 可能な限り、早く動画を納品して欲しい
「どんなに遅くても良いから、質の高い動画を納品して欲しい」と頼むクライアントはいません。「できるだけ早く納品して欲しい」というのは全てのクライアントに共通する欲求です。
だからこそ、台本制作の仕事をする上で「制作スピード」は非常に重要であり、クライアントの期待を超える速さで動画制作をすることで信頼を勝ち取ることができます。
中には「時間をかけて、質の高い動画を納品した方が良くないですか?」と質問してくる人もいますが、そうとは限りません。そもそも「時間をかけて」というのは「具体的にどれくらいの時間か」説明できますか?また「質の高い動画」とは「具体的にどのようなクオリティか」説明できますか?これらを言語化し説明できると、仕事を依頼しやすい頼れるシナリオライターになれますので「自分ができることの言語化」は常に意識して、アップデートしていきましょう。
また、仕事としてアニメーション動画制作を依頼しているクライアントは、以下のようなことができるディレクター・シナリオライター・アニメーション制作者を求めています。
<クライアントが求める暗黙の条件>
- 納期を必ず守る
- ビジネス的な対応ができる
- スムーズなコミュニケーションができる
- 各利害関係者の役割を理解してる
- 期待値調整ができる
- 質のすり合わせができる
- ビジネス的な対応ができる
- キツイ時はアラートを出せる
- 追加費用が必要な時は事前相談ができる
- 自分以外に仕事を振れる仲間がいる
- 丁寧な言葉遣いや挨拶をする
- etc
こういったことが当たり前にできるからこそ、信頼され、報酬としてお金をいただくことができます。
クレメア
仕事として動画制作をするのであれば、上記が「できる、できない」とかではなく、「できて当たり前のことである」と「クライアント」が認識しているということです。
企業案件動画に興味がある人は、最低限ここまで説明してきたクライアントの役割や心情を理解しておきましょう。
ディレクターの理解
ディレクターはクライアントからアニメーション動画制作の仕事を直接依頼される立場であり、同時にシナリオライター・アニメーション制作者に仕事を依頼する立場にもなります。
アニメーション制作事業における中間管理職です。
アニメーション動画制作事業におけるディレクターは、以下のような役割を持っています。
<ディレクターの役割>
- クライアントと直接やり取りする立場にある。※営業の人がいる場合は、窓口は営業の人がやり、ディレクターはディレクションに注力する場合もある
- 制作する動画の要件をクライアントからヒアリングし、まとめる立場にある。クライアントからの情報に過不足があれば、それを整える。クライアントが動画の要件を決める際の補助をし、確定させる
- アニメーション動画制作のフローを管理し、クライアントを含めそれぞれの立場の人を指揮する立場にある。ディレクターの指揮が明瞭だと、案件がスムーズに進行する
- 案件の予算を管理し、アニメーション制作に必要な人員を割当て、制作を進行する立場にある。各自の仕事内容や納期、報酬などを適切に決める必要がある
- クライアントにアニメーション動画を納品する責任がある
- 業務を委託する制作メンバーを募集・管理する立場にある
- クライアントに制作した動画の確認を促し、制作メンバーに修正指示を出す立場にある
- クライアントからアニメーション制作の報酬を受け取る立場にあり、同時に制作メンバーに報酬を支払う立場でもある
ディレクターの役割を一言で言うと「ディレクション」になりますね。
また、ディレクターはシナリオライターに対し、以下のような欲求を持っています。
<シナリオライターに対する欲求>
- 可能な限り、早く台本を制作してほしい。納期を守るのは当然であり、納期を破る人は一発アウトとして考えている
- 台本の意図を説明できる状態にしてほしい
- 常に表現の引き出しを増やしておいてほしい
ディレクターにとって最も大切なことは、自分のことを信頼して仕事を依頼しているクライアントの信頼を裏切らないこと=納期までに制作物を納品することにあります。
そのためとにかく納期を守ることは最重要です。ここができない人は、絶対に仕事が来ないですし、一般的にどのディレクターも一緒に仕事ができないと判断しますので、納期は必ず守るようにしましょう。納期を守るためにも、普段からどんな動画を作る上でも「納期を自分で設定」して「納期慣れ」することが大切です。
また、企業案件のビジネスモデルのところでも解説しましたが「収入=単価×案件数×回転率」であり、この「回転率」を上げるためにも、可能な限り早く動画を制作することが大切です。回転率が低い台本制作者は、クライアントの信頼もディレクターの信頼も下がり、かつ稼げる金額も下がると言う負のループに陥りますので、制作スピードの向上は常に意識しましょう。
逆に言えば、制作スピードが早い台本制作者は非常に重宝されます。
そして「台本の意図を説明できる状態にする」のは「クライアントからの信頼を得るため」にも大切なことです。「なぜ、台本の意図を説明できると、クライアントから信頼を得られるのか?」というと、クライアントから質問が来た時に「今回の動画は○○という悩みを持つ視聴者が見ることを前提としていますので、このような台本にしました」などと説明できるからです。
台本の意図が説明できるとクライアントは「ここまで考えて作ってくれているんだ」となり、制作チームを信頼してくれます。逆に、クライアントから「ちょっと考えればわかる程度のこと」を指摘された時に「確かにそうですね」などと返事をすると、クライアントに内心「この人が作る動画は大丈夫なのだろうか?」と思われてしまいます。
だからこそ「台本の意図を説明できる状態にすること」は大切ですし、それが「企業案件で通用する台本を作ること」にも繋がっていきます。逆に言えば「企業案件で通用しない台本制作」に共通することは「意図を説明できない状態で、適当に台本制作をしていること」と言うこともできます。
「台本の意図」と「要件定義」が一貫した動画=「パッと見で良いと感じる台本」になります。
また「常に表現の引き出しを増やしておく」というのは「プロのシナリオライター」として、日常的にやっていて欲しいことです。
ディレクターとして一緒に仕事をしたくない台本制作者は仕事としてやってる自覚がない人、プロの自覚がない人です。例えば「これで出して、なんか言われたら直せばいいや」と考えてる人。ディレクターからすると、このタイプの人は最悪です。何が最悪かと言うと「ディレクターの仕事を増やしてるから」です。
仕事としてお金をもらうのであれば、自分の責務を全うするのは当然のことです。
そもそもシナリオライターの仕事は「動画台本を作ること」です。にも関わらず、それすら1人で完結できず「これで出して、指摘されたら直そう」と考える人はプロ意識が欠如してると言わざるを得ません。このようなマインドセットでは良いものは作れませんので「ラクしたいなー」みたいな下心は捨ててください。
逆に、こちらが指摘せずとも隅々まで考え抜いた上で、一発で良い感じの動画を制作してきてくれる人は「さすが」「次もこの人に依頼しよう」となります。
シナリオライターはたくさんいますが「仕事ができるシナリオライター」はまだまだ少ないので、このポジションを目指しましょう。
シナリオライターの理解
シナリオライターであるあなたは、ディレクターの指示の元に台本を制作する立場にあります。ディレクターがまとめた動画の要件定義をもとに、その案件に最適な台本を、決められた納期内で仕上げるのが、シナリオライターの仕事です。
シナリオライターが書く台本はアニメーション制作をする際の骨格となるので、非常に重要な仕事です。
アニメーション制作事業におけるシナリオライターは、以下のような役割を持っています。
<シナリオライターの役割>
- ディレクターの指揮のもと台本制作をする立場にある。クライアントと直接やり取りすることはない
- ディレクターがまとめた制作動画の要件を確認し、アニメーション動画に必要な台本を制作する立場にある。台本制作に必要な情報が不足してる場合や、理解できない点がある場合はディレクターに確認する
- 納期を確認し、必ず納期内に台本を仕上げる。納期内に間に合わなそうな場合、キツそうな時はアラートを出す
- 依頼された動画の要件に合わせて台本を制作する。なんとなく台本を制作したり、自分勝手な基準で台本を作ったりしない
- 納期や要件に合わせた質の調整をする
- ビジネス的な対応をする。褒められたい、認められたい、頑張ったから褒めて欲しい、といった自分基準、自分の都合を抑えることができる
- 利害関係者の役割を理解している
シナリオライターはディレクターから提示された報酬を対価として、自分の時間とスキルを駆使して、クライアントの希望に合う台本を制作する必要があります。
基本的にはどの案件も納期が決まっており、納期内に台本を完成させる責任があります。
クレメア
仕事として報酬=お金をいただきたいのであれば、今一度シナリオライターに求められる役割を理解しましょう。
台本を作る具体的な手順は実践編で解説します。
アニメーション制作者の理解
アニメーション制作者はシナリオライターが書いた台本をもとにアニメーションを制作する人です。シナリオライターが台本を書く場合は、アニメーション制作者が動画を作りやすいように配慮する必要があります。
アニメーション制作事業におけるアニメーション制作者は、以下のような役割を持っています。
<アニメーション制作者の役割>
- ディレクターの指揮のもとアニメーション制作をする立場にある。クライアントと直接やり取りすることはない
- ディレクターがまとめた制作動画の要件を確認し、アニメーション動画を制作する立場にある。動画の制作に必要な情報が不足してる場合や、理解できない点がある場合はディレクターに確認する
- 納期を確認し、必ず納期内に動画を仕上げる。納期内に間に合わなそうな場合、キツそうな時はアラートを出す
- 依頼された動画の要件に合わせて動画を制作する。なんとなく動画を制作したり、自分勝手な基準で動画を作ったりしない
- 納期や要件に合わせた質の調整をする
- ビジネス的な対応をする。褒められたい、認められたい、頑張ったから褒めて欲しい、といった自分基準、自分の都合を抑えることができる
- 利害関係者の役割を理解している
アニメーション制作者はディレクターから提示された報酬を対価として、自分の時間とスキルを駆使して、クライアントの希望に合うアニメーション制作をする必要があります。
基本的にはどの案件も納期が決まっており、納期内に動画を完成させる責任があります。
クレメア
シナリオライターとアニメーション制作者は、協力してクライアントが希望する動画を完成させる役割があります。
シナリオライターとアニメーション制作者は動画制作チームメンバーという関係性にあります。シナリオライターはアニメーション制作者がアニメーションを作りやすいような台本を作るのが大前提となります。
アニメーション制作者は以下のような欲求をシナリオライターに対して持っています。
<シナリオライターに対する欲求>
- 可能な限り、早く台本を制作してほしい。納期を守るのは当然であり、納期を破る人は一発アウトとして考えている
- 台本の意図を説明できる状態にしてほしい
- パッと見で、意味が通っていない、わかりにくい台本は作らないでほしい
台本を作るときに大事なことは「言葉の意味をしっかりと理解した上で台本を作ること」です。言葉の意味を理解せずに「どこかにある文章をコピペして、ツギハギしただけの台本」を作ってしまうと、良い動画を作ることができません。
クレメア
自分が知らない業界の台本を作るときは、事前リサーチを徹底しましょう。意味を理解できない用語がある場合は、1つ1つ丁寧に調べてください。
特に用語ごとの細かいニュアンスの違い、例えば「月商」「月収」の違い、「保証」「補償」「保障」の違いなど、間違いやすい言葉の意味には気をつけるようにしましょう。
企業案件動画を作る際、自分が知ってる業界の案件に携わることの方が珍しいです。そのため、シナリオライターとして仕事をしていく上で大事なことは「普段から様々な分野の勉強をすること」と「知らない業界の案件が来たら、調べまくること」になります。
特に、今回解説している企業案件動画は「1〜2分程度」の短い時間で「視聴者」にわかりやすく「商品やサービスの魅力」を伝えることで、クライアントの事業を手助けする動画になります。
そのため「商品やサービスの全体像をまるっと説明する」のではなく「商品やサービスの魅力に焦点を当てて、魅力が伝わる動画を作る」ことが求められます。
クレメア
「商品・サービスのどこに魅力を当てた動画を作るのか?」は「動画の要件定義」によって変わります。
要件定義を満たす「意図を持った台本」でなければ、アニメーション制作者も動画を作りづらくなってしまうので、しっかりと意図を持った台本を作れるようにしましょう。
詳しくは実践編で解説します。
初期の立ち回り
シナリオライターの初期の立ち回りは「今の自分のステータスはどうなっているのか?」「どのように稼ぎたいのか?」「どれくらい稼ぎたいのか?」によって決まってきます。
特に「こうなりたい」ではなく「現状がどうなってるのか?」を正確に把握すること=現状理解をすることが重要です。周りの人と比較して、焦って身の丈に合わない行動をしても、結果が振るわずに数ヶ月で息が切れてしまうので、地に足についた自己分析および行動を心がけていきましょう。
クレメア
誤った選択をして時間やお金をロスしないように、超固めに見積もった上で行動するのがオススメです。
仕事のスタイル
シナリオライター仕事のスタイルは大きく分けて「チームに入る」「個人で稼ぐ」「チームを作る」の3つがあります。
「どのような状況=現状」から「どのような状態=理想」になりたいのか?そのために「どれくらい時間やお金やスキル=資源」を提供できるのか?を今一度考えていきましょう。
クレメア
それぞれの仕事のスタイルについて解説していきます。
チームに入る:初心者向け、想定月収1.5〜5万
シナリオライターとして稼ぐ上で、台本制作を専門とする人が取る現実的な選択肢はこちらです。自分で案件を取らずにディレクターのもとで台本制作をする場合や、クラウドソーシング案件などがこれに該当します。
クレメア
まずはメリットについて解説します。
<チームに入るメリット>
- 台本制作だけでお金を稼ぐことができる
- 仕事をしたら、きちんとお金をもらえる
- 自分が制作した台本のフィードバックを無料で受けることができる
- 自分のアタマで意思決定をしなくてもいい
- 自分が苦手な仕事、できない仕事はやらないで済む
- クライアントと連絡を取る必要がない
- 自分で直営業する必要がない
- 働ける時間が短い人でも収益化ができる
- 他の人の仕事から学ぶことができる
チームに入るメリットは、確実にお金を稼げる点です。「○文字の台本を制作したら○○円もらえる」と決まっており、基本的に台本を制作したのに報酬が入らないなどといったことも起こりません。月に1.5~5万程度稼げればOKという人は、チームに入選択肢もありです。
シナリオライターであれば、月に2分動画を3〜5本作れば1.5〜5万程度稼げるようになります。そして何より、チームに入る最大のメリットは、一緒に仕事をする人から直接学ぶことができる点にあります。
クレメア
チームに入る場合は「一緒に仕事する人」超大事です。
実際に一緒に仕事をしていると、細かいフィードバックをせざるを得ませんし、どのような営業戦略で何を狙って動画を作るのか?、クライアントにどのような提案をしているのか?などを説明せざるを得ないので、見方によっては最高に学べる環境となります。
クレメア
ただ、チームに入る選択肢には以下のようなデメリットもあります。
<チームに入るデメリット>
- 低単価で成長できないチームが9割以上であり、高単価かつ成長できるチームは非常に少ない
- 良いチームは入るのが大変
- 自分に合うかどうかは、入ってみないとわからない
- 結局は個人と個人の関係となるため、相性の問題が絡んでくる
- 一緒に仕事をする人のレベルが低いと成長できない
- 濃い関係を築けないと、大したフィードバックはもらえない
- チームメンバーを信じることができない人は学べる機会を活かすことはできない
正直、きちんと仕事できる人かつ教えることができる人に出会える確率は非常に低いです。もし奇跡的に出会えたらその出会いを大切にしましょう。
そして、どんなチームに入るにせよ、その環境を活かせるかどうかは、その人の心構えや、チームメンバーとの相性などが関わってきます。
クレメア
例えば、私は仕事にスピードを求めるタイプなので、ゆっくり稼ぎたい人はそもそも一緒に仕事ができません。また品質に責任を持てないタイプの人は、仕事の手間が増えることが予想されるので、そういった人も一緒するのは遠慮しています。
ということで、そこまで稼げなくてもいい。仕事の仕方を学びたい。というタイプの人はチームに入ることを検討しても良いでしょう。
良いチームに入れなかった場合は、稼いだお金を書籍や教材を買ったりコンサルを受けたりするお金として再投資し、スキルアップ、事業の拡大を目指す、という感じですね。
クレメア
私もビジネスを始めた最初の数年は貯金をせずに自己投資しまくったので、お金は自分のスキルや脳みそに再投資することに使うのがオススメです。
個人で稼ぐ:中級者向け、想定月収0〜100万
シナリオライターとして稼ぐ上で、より多くのお金を稼ぎたい人が取る選択肢がこちらです。自分で営業から台本制作、アニメーション制作、納品までこなす人が該当します。
「市場理解」のところで述べた「動画市場で勝負する」「高単価な仕事はスキルの掛け合わせから生まれる」というのがこちらに該当します。
クレメア
まずはメリットについて解説します。
<個人で稼ぐメリット>
- 稼いだお金はすべて自分のモノになる
- 月収100万超えも現実的に可能
- 人間関係のストレスなし
- 全部自分でやるのでスピード感がある
- コミュニケーションコストがない
- ちょうど良い負荷で仕事量を抑えることが可能
すでにアニメーション動画制作事業の進め方を理解しており、何をどうすれば結果が出るのか見えている人は、個人でサクサク進めた方がストレスもなく、結果が出るのも早いです。
クレメア
スピード感とストレスのなさが個人で稼ぐ1番のメリットですね。人間関係が煩わしい人はこれ1択です。
動画市場で勝負をすれば1本20万という単価も狙えるので、個人で稼ぐだけでも月収100万円程度であれば十分に実現可能です。高単価アニメーション動画クリエイターであれば、週1本動画を作れば月100万程度の売り上げになれます。
クレメア
ただ、個人で稼ぐ選択肢には以下のようなデメリットもあります。
<個人で稼ぐデメリット>
- 何をすればわかってないと、結果が出ない
- 全て自分で解決しなければいけない
- 時間的な限界が来る
- 仲間に任せることができない
- 自分から動かない限り情報が入ってこないため、自分の立ち位置がわからなくなる
- 仕事の増加=時間の減少にとなるので、自由とは程遠い
個人で稼ぐ=1人で稼ぐ場合、アニメーション制作にまつわる全ての仕事、営業、ヒアリング、企画、構成、台本制作、アニメーション制作などを1人でやる必要があります。これらをビジネス初心者が1人で全てをやるのは非効率であり、実現可能性が低いので、オススメしません。(できないことが多いと「なぜうまくいってないか?」の原因を探すのが困難になります。
また、個人で稼ぐと必ず「1日24時間という時間的な限界が来る」という構造上の問題が発生します。この問題に対する対処法は「1人で稼ぐことにこだわり、更なる利益追求はあきらめる」もしくは「1人で稼ぐ快適さを捨てて、チーム化して業務拡大をする」というのが基本的な流れになります。
クレメア
1人で稼ぎ続けるか、チームで稼ぐことに挑戦するか、自分の性格やアニメーション制作をする目的なども加味して決めていきましょう。
チームを作る:上級者向け、想定月収10〜300万以上
もし、あなたがアニメーション動画制作事業で安定して稼ぎたい、大きく稼ぎたい、自分の手はあまり動かしたくないのであれば、チームを作ることに挑戦しましょう。
クレメア
まずはメリットについて解説します。
<チームを作るメリット>
- 仕事を任せることで、自分の時間を確保できる
- 自分が苦手な仕事をやらなくて済む
- 対応できる動画本数が増える
- 案件数が増えるため、単位時間あたりの経験値が増える
- 稼げる金額が増える
- 自分だけでは作れないハイクオリティな動画を作れる
チームを作ると自分以外の人の時間やスキルを活用できるため、対応できる仕事の量や幅が広がっていきます。その結果、個人で稼ぐより多くの売り上げを上げることに挑戦できます。
チームを作る時に、どのような座組みでチームを作るのかは、自分がどんな仕事をして、何を強みとしてサービス展開するのかが大きく関係してきます。
クレメア
自分がチームを作る場合は、基本的に相談できる相手は存在せず、全て自分で考えて決める必要があるので、最初が特に大変です。
勝手がわからない場合は、他の人のチームに入ったり、情報収集するなどをすることを推奨します。
仕事内容によっては、固定チームとして考えるのではなく、仕事があった時に協力する関係にある、緩やかな繋がりを作っておくのもありです。
最初はどのような形でチームを作れば良いのか、最適な座組みがわからない可能性があるので、様々な形でチームを作り、うまく回る座組みが分かった段階で契約書を作ると良いでしょう。
クレメア
ただ、チームを作る選択肢には以下のようなデメリットもあります。
<チームを作るデメリット>
- 信頼がなければチーム構築ができない
- チームメンバーに報酬を支払う必要がある
- コミュニケーションコストが増える
- 人間関係のストレスが生まれるリスクがある
- マネジメントする必要がある
- 教育をする必要がある
そもそも多くの人は信頼される状態を作れていないため、チーム構築ができません。まず、信頼を積み上げていくためにも、継続して情報発信をしていくことが大切です。
また、チームメンバーに報酬を支払う必要があるため、1本5万〜10万という単価でチームで仕事をするとジリ貧になっていきます。予算を確保するためにも、高単価で立ち回れるほどの強みを作っていく必要があります。
クレメア
この教材で解説している「企業案件動画に通用する台本を作れる」というのは、強みの1つに過ぎません。実際に仕事をしていく上では、参入障壁の高い別の強みと掛け合わせていくことが大切です。
そして、チームを運営してくためにはコミュニケーション能力が必要であり、仕事の段取りを舵取りしていくディレクション能力も必須になっていきます。
クレメア
人をまとめたり、指示を出すのが得意でない人は、まず自分1人で稼げるようになり、それからチーム運営に挑戦するのが無難ですね。
以上、理解編の解説でした。