<30秒でわかる結論>
- 生活費が月30万円の場合
- FIREに必要な金額は「9,000万円」
- 月10万の貯金のみで50年かかる→非現実的
- 生活費の半分を労働で稼ぐ「サイドFIRE」の場合
- サイドFIREに必要な金額は「4,500万円」
- 月10万の貯金のみで25年かかる→まだ非現実的
- 実際は「支出カット」で生活費を減らしたり、「運用益以外の稼ぐ割合を増やす」ことで、早期達成が見込める
こんにちは、クレメア(@cremea_tw)です。今回は「サイドFIREを達成するための目標金額の決め方」を紹介します。
「FIRE(ファイア)」とは何か?
まずはFIRE(ファイア)の確認から。
「Financial Independence,Retire Early」の頭文字4文字をとった略語で「経済的自立、早期退職」という意味。
現在版セミリタイアとも呼ぶべき概念で、近年、この「FIRE(ファイア)=経済的自立」の達成を本気で目指して、資産形成をする人が増えています。
「4%ルール」とは何か?
「4%ルール」とは「年利4%」で資産を運用して、その運用益で生活費をまかなうという考え方のことです。ちなみに、この4%という数字は、米S&P500株の成長率7%からアメリカのインフレ率3%を差引いて計算された数値です。
これを日本に当てはめると、まず、日本のインフレ率は目標2%に設定しています。ですが、この10年間の実際の平均インフレ率は0.53%(2011年〜2020年)となっています。そのため、今後もこの数値感で推移するなら「年間税引き後運用益で4.53%以上を期待できれば、FIRE(ファイア)を達成することができる」と言えます。
実際にこれらの数値がどうなるかは「神のみぞ知る」ことなので、あくまで参考値として考えてください。
「年間生活費の25倍必要」とはどういうことか?
FIRE関連の情報でよく言われる「年間生活費の25倍必要」とは、この「4%ルール」を前提にした数値のことです。
例えば、生活費に月25万円必要な場合、年間の支出は300万円。年間支出の25倍は「300万円×25倍=7500万円」です。この資産があれば、毎年の生活費を「7500万×4%=300万円」の運用益からまかなうことができ、かつ「元の資産7500万円を減らすことなく」生活を維持できる、ということです。
まずは数値の根拠を理解することが大切です。
生活費別・FIREの実現に必要な金額の目安
ここで、FIREの実現に必要な金額を算出すると、以下のようになります。
- 生活費年240万円(月20万円)→6,000万円
- 生活費年300万円(月25万円)→7,500万円
- 生活費年360万円(月30万円)→9,000万円
- 生活費年420万円(月35万円)→1億500万円
- 生活費年480万円(月40万円)→1億2,000万円
仮に生活費年240万円だとしても、必要金額は6,000万円となります。この金額を貯金のみで貯める場合、1年間で120万円を貯金すると50年、1年間で200万円を貯金しても30年かかる計算になります。
これだけ時間がかかったら、さすがに現実的ではないですよね。
実際は貯金せずに、それぞれのリスク許容度に合わせて資産運用するので、もう少し達成時期は早くなると思いますが、それでもこの金額を貯めるのは厳しいでしょう。(個人的には最長でも15年程度で貯めたいところです
そこで現実的な選択肢として上がるのが「サイドFIRE」です。
「サイドFIRE」とは何か?
「サイドFIRE」はFIREの派生概念です。「サイドFIRE」は「全てを投資の運用益からまかなう=FIRE」ではなく「投資で運用益を得つつ、生活費の一部は労働をしながら稼ぐ生き方」のことです。
サイドFIREは「働くことを視野に入れて、資産形成をする」ということですね。
経済的自立を目指すのに、なぜ働くのか?
ここで「働くのであれば、経済的自立を目指す意味がないのでは?」と考える人もいるかもしれません。ですがサイドFIREには以下のようなメリットがあります。
<サイドFIREのメリット>
- FIREを目指すより現実的
- サイドFIREを達成後に、FIRE目標に切り替えも可能
- 必要金額が大幅に減る
- FIREに比べ、達成時期が前倒し
- 相場暴落時に資産を切り崩さなくて済む
- 最悪、働けばOKなので精神的にラク
- 過度な労働は避けることができる
- 好きな仕事を選びやすくなる
私はこちらの方が現実的であり、予想外のリスクに対しても柔軟に対応できる=精神的にもラクであると考えているため、サイドFIREを目指しています。
私は「自分に決定権がある仕事」であれば楽しめますし、かつ「仕事を辞めたらボケそう」なので生涯現役で働こうと考えています。
生活費別・サイドFIREの実現に必要な金額の目安
実際に「生活費の半分を運用益以外で稼ぐ」という条件のサイドFIREに必要な金額を算出すると、以下のようになります。
- 生活費年240万円(月20万円)→3,000万円
- 生活費年300万円(月25万円)→3,750万円
- 生活費年360万円(月30万円)→4,500万円
- 生活費年420万円(月35万円)→5,250万円
- 生活費年480万円(月40万円)→6,000万円
仮に生活費年240万円だとすると、必要金額は3,000万円となります。この金額を貯金のみで貯める場合、1年間で120万円を貯金すると25年、1年間で200万円を貯金しても15年かかる計算になります。
実際は貯金せずに、それぞれのリスク許容度に合わせて資産運用するので、もう少し達成時期は早くなるでしょう。
あとは、これらの必要金額をそれぞれのリスク許容度に合わせて、いかに効率よく集めるか?という話になりますね。
自分の目標金額を決めるために必要な情報
実際に「自分の目標金額」を決めるためには、以下の情報が必要になります。
<自分の目標金額を決めるために必要な情報>
- 自分の性格に関する情報
- 自分の好みに関する情報
- 自分の趣味に関する情報
- 自分の理想的なライフスタイルの情報
- 自分が快適に暮らすのに必要な生活費の情報
- そのほか、自分に関する様々な情報
これらの情報は、自分が意識して「準備しよう」と思わなければ、わからない情報です。
例えば、私は現在、車を所有していませんし、欲しいとも思っていません。一方で温泉やサウナは好きなので、冬は毎日通っています。また、仕事が好きなので、休みの日を設けずに年末年始を含め毎日仕事をしていますし、ほかの人よりリスク許容度や新しいものに対する情報感度も高く、ハイリスクハイリターンの投資も好きです。
「自分の目標金額」を決めるためには、そういった自分に関する情報を集め、自己理解を深めていくことが必要です。
自分の目標金額を知りたい人は、必ず「自己理解」を徹底するようにしましょう。このブログでは「精神的自律への道」というカテゴリーで「自己理解」に関する記事を挙げていますので、よろしければそちらをご覧ください。
また、私は目標金額を9000万に設定しています。その理由についてはこちらの記事で解説していますので、よろしければ合わせてお読みください。
>執筆予定
なぜ私は9000万を目標金額に設定しているのか?
サイドFIREの実現可能性を上げるためには
実際にサイドFIREを実現する可能性を上げるためには、以下の2つの選択肢を考慮すると良いです。
<サイドFIREの実現可能性を上げる2つの要素>
- 支出をカットし、必要な生活費を見直す
- 運用益以外で稼ぐ割合を増やす
順番に解説します。
生活費を月30万→月25万に削減した場合
まず、家計を見直して、必要な生活費を「月30万円→月25万円」に月5万円見直した場合、「生活費の半分を運用益以外で稼ぐ」という条件のサイドFIREに必要な金額は以下のようになります。
生活費年360万円(月30万円)→4,500万円
生活費年300万円(月25万円)→3,750万円
月5万円の生活費を減らすだけで、サイドFIREに必要な金額は「750万円」も減らすことができます。
この数値を見ると「支出をカットする重要性」を理解できると思います。
運用益以外で稼ぐ割合を5割→7割にした場合
次に「生活費の5割ではなく7割を運用益以外で稼ぐ=労働所得や事業所得を増やす」とした場合、月の生活費を25万円とすると、サイドFIREに必要な金額は以下のようになります。
生活費の半分を運用益以外で稼ぐ場合
生活費年300万円(月25万円)→3,750万円
生活費の7割を運用益以外で稼ぐ場合
生活費年300万円(月25万円)→2,250万円
このように運用益以外で稼ぐ割合を2割増やすことで、サイドFIREに必要な金額を「1,500万円」も減らすことができます。
リスク許容度が低い方は、こちらの路線で考えた方が精神的にも安定した生活を送れると思います。
実際は自分が働かなくても所得が増える「事業所得を育てていく」という選択肢もありますので、そういった選択肢を活用した上でのサイドFIREを目指すと、より経済的自立の達成確率が高まるでしょう。
ほかの記事で支出カットの具体的事例や、副業で労働所得を増やす方法、事業所得で収入を伸ばす方法などを解説していますので、興味がある方はそちらもご覧ください。
以上になります。最後までお読みいただきありがとうございました。